京都市内で事業を営む皆様にとって、粗大ごみの処分は避けて通れない課題の一つではないでしょうか。オフィス移転時の大型家具、店舗改装で出る什器、老朽化した事業用機器など、事業活動に伴って発生する大型の廃棄物をどのように適正に処分すれば良いのか悩まれる事業者の方も多いことでしょう。
「家庭の粗大ごみと同じように市に回収を依頼すれば良いのでは?」「どこに持ち込めば処分できるの?」「料金はどのくらいかかるの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
実は、事業活動から発生する粗大ごみは、家庭から出る粗大ごみとは全く異なる処理ルールが適用されます。京都市では廃棄物処理法に基づき、事業者自身が責任を持って適正に処理することが義務付けられており、間違った処分方法では法令違反となる可能性もあります。
この記事では、京都市内の事業者が知っておくべき粗大ごみの正しい捨て方について、法的背景から具体的な処分方法、料金体系まで分かりやすく解説します。適正な廃棄物処理でコンプライアンスを確保し、安心して事業運営を行いたい事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
事業活動から発生する粗大ごみを適正に処理するためには、まず京都市における事業系廃棄物の位置づけを理解することが重要です。
事業系粗大ごみとは、会社・店舗・事務所・工場などの事業活動に伴って発生する大型の廃棄物の総称です。具体的には、オフィス家具(デスク、椅子、棚、ロッカー)、店舗什器、業務用機器、看板、事業用冷蔵庫などが該当します。
京都市では廃棄物処理法に基づき、これらの事業系廃棄物を「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分類しています。事業系粗大ごみの多くは事業系一般廃棄物に該当しますが、材質や業種によっては産業廃棄物として扱われる場合もあります。
重要なのは、これらの事業系粗大ごみは家庭ごみとは完全に区別され、事業者自身の責任で適正に処理する義務があるということです。規模の大小を問わず、事業活動に伴って排出される粗大ごみはすべて事業者の処理責任となります。
多くの事業者の方が誤解されがちなポイントですが、京都市では事業系粗大ごみを家庭ごみと同様に戸別収集することはできません。
京都市の「大型ごみ収集」サービスは家庭から排出される粗大ごみのみを対象としており、事業活動に伴うごみは収集対象外と明記されています。そのため、以下のような行為は全て不適切です。
これらの行為は不法投棄にあたり、廃棄物処理法違反として厳しい罰則の対象となります。個人事業主や小規模事業者であっても、事業活動から発生した粗大ごみは事業系廃棄物として扱われるため、注意が必要です。
また、事業系粗大ごみの中でも、金属製の什器や大量の木くず、廃プラスチック類などは産業廃棄物に該当する場合があります。産業廃棄物は市のクリーンセンターでは受け入れできないため、産業廃棄物処理業者への委託が必要です。
事業系粗大ごみを適正に処分する方法は、主に以下の2つがあります。
事業規模や処分量、コスト、利便性などを考慮して最適な方法を選択しましょう。
事業系一般廃棄物に該当する木くずについては、京都市のクリーンセンターへの直接持ち込みが可能です。
京都市では南部クリーンセンター(伏見区)と東北部クリーンセンター(左京区)の2か所で事業系一般廃棄物の木くずの受け入れを行っています。
施設名 | 所在地 | 受付日時 |
---|---|---|
南部クリーンセンター | 伏見区横大路八反田29 | 月~金曜日、第2・第4土曜日 9:00~12:00、13:00~16:30 |
東北部クリーンセンター | 左京区静市市原町1339 | 月~金曜日、第2・第4土曜日 9:00~12:00、13:00~16:30 |
2024年10月から事前予約制が導入されており、搬入前日までにインターネットまたは電話での予約が必須となりました。当日の予約は原則できませんので、余裕を持ったスケジュールで申し込みを行ってください。
持ち込み可能な粗大ごみ
持ち込みできない粗大ごみ
気を付けることとしては、排出事業者本人または同一法人の社員が自ら運搬する必要があることです。他社のごみを代行搬入することは法律で禁止されています。
産業廃棄物に該当する事業系粗大ごみについては、産業廃棄物収集運搬業許可を受けた業者への委託が法律で義務付けられています。
産業廃棄物に該当する事業系粗大ごみ
許可業者委託のメリット
京都市の産業廃棄物収集運搬業許可および産業廃棄物処分業許可を持つ業者に必ず依頼してください。無許可業者への委託は犯罪行為となり、委託した事業者も処罰対象となります。
委託契約を結ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
事業系粗大ごみの処分料金は、処分方法によって大きく異なります。コスト面を重視するか、利便性を重視するかで最適な選択肢が変わります。
2023年10月の料金改定により、現在の持ち込み料金は以下のとおりです。
搬入重量 | 料金 |
---|---|
100kg以下 | 一律1,500円 |
100kg超過分 | 10kgごとに200円追加 |
料金計算例
許可業者への委託料金は業者や内容によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
サービス内容 | 料金目安 |
---|---|
定期回収(月1回) | 8,000~15,000円 |
スポット回収(軽トラック1台分) | 15,000~30,000円 |
搬出作業込み(2トントラック1台分) | 40,000~70,000円 |
料金には収集運搬費と処分費が含まれており、搬出作業や分別作業が必要な場合は追加料金が発生することがあります。
追加費用が発生するケース
見積もりを取る際は、これらの条件も含めて詳細に確認することが重要です。
処分費用を削減したい事業者にとって、まだ使用可能な粗大ごみをリユース・リサイクルに回すことは有効な選択肢です。京都市も持続可能な社会の実現に向けて、リユース促進の取り組みを推進しています。
状態の良いオフィス家具や事業用機器は、売却によって処分費用を削減できる可能性があります。
売却に適しているのは、デザイン性の高いオフィス家具や比較的新しい事業用機器、ブランド家具・アンティーク什器、未使用・美品の業務用品などです。
これらの粗大ごみは、オフィス家具専門のリサイクルショップや中古OA機器買取業者での買取が期待できるほか、フリマアプリ・オークションサイト、地域の掲示板サービスなどを通じて個人や他の事業者に譲渡することも可能です。
また、京都市では民間企業と連携したリユース促進策を実施しており、以下のサービスが利用できます。
これらのサービスを活用することで、処分費用をかけずに不要な粗大ごみを必要としている人や事業者に譲渡できます。
譲渡・売却を行う際は、事業用途であったことを明示し、取引時のトラブルに注意することが大切です。また、引き渡し方法を事前に決めておき、個人情報が含まれる機器についてはデータ消去を徹底することも重要なポイントとなります。
ただし、リユースできるのは状態の良いものに限られるため、破損や汚損の激しいものは適切な処分ルートで廃棄することが必要です。
参考:ジモティーやおいくらを活用してリユースしましょう!(京都こごみネット)
事業系粗大ごみの適正処理について検討された結果、専門業者への委託をお考えの事業者様には、実績豊富で信頼性の高い業者選びが成功の鍵となります。
「ごみの窓口」では、京都市発行の一般廃棄物収集運搬業許可を保有し、京都市内全域で豊富な実績を積み重ねてきました。 京都市内で事業系粗大ごみの処分にお悩みの事業者様は、ぜひ「ごみの窓口」までお気軽にご相談ください。お客様のニーズに最適なプランをご提案し、適正な廃棄物処理による法令遵守と環境保護をサポートいたします。
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山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。 不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。