京都市伏見区で事業を営んでいる皆さんは、毎日発生する事業ごみの処理について正しく理解されていますか?「家庭ごみと同じように出せばいいのでは?」「分別方法がよく分からない」といった疑問をお持ちの事業者の方も多いのではないでしょうか。
実は、事業活動から発生するごみは家庭ごみとは全く異なる処理ルールが適用され、間違った処分方法では法令違反となる可能性もあります。特に京都市では、2025年4月から処理手数料が改定されており、最新の料金体系を把握しておくことが重要です。
この記事では、京都市伏見区における事業ごみの正しい捨て方について、家庭ごみとの違いから具体的な分別ルール、適正な処理方法まで分かりやすく解説します。適切な廃棄物処理で法令遵守と環境保護を両立させたい事業者の方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
事業ごみの適正処理を行うためには、まず廃棄物の分類を正しく理解することが不可欠です。京都市では廃棄物処理法に基づき、発生原因によって「家庭系一般廃棄物」と「事業系廃棄物」に大きく分けられています。
事業系廃棄物(事業ごみ)とは、会社・店舗・事務所・工場などの業務活動から発生する廃棄物の総称です。個人経営の小さな飲食店から大企業のオフィスまで、規模の大小を問わず事業活動に伴って排出されるごみはすべて事業ごみに分類されます。
ポイントは、事業ごみは京都市の定点収集や資源物拠点回収には出すことができないということです。家庭ごみとは完全に区別され、事業者自身の責任で適正に処理する義務があります。
事業ごみはさらに「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2つに分類され、それぞれ処理方法や委託先が異なります。誤った分別や処理を行うと法令違反となるため、正確な知識が必要です。
また、事業系一般廃棄物を排出する際は、無色透明または白色透明の袋(90リットル以下)を使用し、中身が判別できる丈夫な袋を使用することが義務付けられています。色付き袋や紙袋、段ボール箱での排出は認められていません。
参考:事業ごみとは(京都市)
産業廃棄物は廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物で、京都市のクリーンセンターでは受け入れできません。これらは必ず産業廃棄物処理業者に委託する必要があります。
伏見区の事業者が特に注意すべき産業廃棄物の代表例を以下の表にまとめました。
特に飲食店では廃食油、建設関連事業者ではがれき類や木くず、製造業では金属くずやプラスチック類の発生頻度が高く、これらは事業系一般廃棄物として出すことはできません。
事業系一般廃棄物は、産業廃棄物以外の事業活動から発生する廃棄物を指します。伏見区を含む京都市内では、以下のような廃棄物が事業系一般廃棄物として分類されます。
主な事業系一般廃棄物の例
これらの事業系一般廃棄物は、京都市の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者に委託するか、事業者自身がクリーンセンターに搬入して処理することができます。
注意点として、同じ材質でも排出元の業種によって分類が変わる場合があります。たとえば、一般的な事業所から出る紙や木くずは事業系一般廃棄物ですが、建設業・製材業・製紙業等から排出される同じ材質のものは産業廃棄物扱いとなります。
伏見区のクリーンセンターや一般廃棄物処理では受け入れできない廃棄物があります。これらは産業廃棄物や専門品目として、それぞれ適正な処理ルートで処分する必要があります。
処分できない主な廃棄物
これらの廃棄物を事業系一般廃棄物として混入させると、収集拒否や追加料金が発生する可能性があります。事前に分別を徹底し、それぞれ適切な処理ルートで処分することが重要です。
事業ごみの処理方法は主に以下の3つがあります。事業規模やごみ量、コスト、利便性などを考慮して最適な方法を選択しましょう。
最も一般的で安定した処理方法が、京都市の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者との定期回収契約です。事業系一般廃棄物の収集運搬には京都市長の許可が必要で、無許可業者への委託は法律違反となるため注意が必要です。
定期回収の特徴とメリット
料金の目安
回収頻度 | ごみ量の目安 | 月額料金 |
---|---|---|
週1回 | 45L袋×4袋 | 5,000~10,000円 |
週2回 | 45L袋×8袋 | 10,000~18,000円 |
週3回以上 | 大量排出 | 15,000~30,000円以上 |
料金には「収集運搬費」と「処分費(搬入手数料)」が含まれており、2025年4月からのクリーンセンター搬入手数料改定(100kgごとに1,000円から10kgごとに150円)により、許可業者の料金体系にも影響が出ている場合があります。
契約時には回収回数、袋の大きさ、排出場所などを明記した見積書を確認し、複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。
オフィス移転や大掃除など、一時的に大量のごみが発生する場合はスポット回収(臨時回収)が便利です。定期契約を結んでいない事業者でも利用でき、必要な時だけ依頼できる柔軟性があります。
スポット回収の特徴とメリット
料金目安
ごみ量 | 料金目安 | 備考 |
---|---|---|
100~200kg程度 | 5,000~10,000円 | 一時多量ごみ |
軽トラック1台分 | 10,000~25,000円 | 粗大・混合ごみ |
2トントラック1台分 | 30,000~50,000円 | 大規模移転・改装 |
年末年始や引越しシーズンは予約が取りにくくなる傾向があるため、余裕を持ったスケジュールで依頼することをおすすめします。
コスト削減を重視する事業者には、クリーンセンターへの直接持ち込みも選択肢の一つです。ただし、搬入できるのは事業系一般廃棄物のみで、産業廃棄物は受け付けていません。
自己搬入の特徴とメリット
搬入可能施設
施設名 | 南部クリーンセンター | 東北部クリーンセンター |
---|---|---|
所在地 | 伏見区横大路八反田29 | 左京区静市市原町1339 |
受付日 | 月曜日~金曜日、第2・第4土曜日(祝日含む) | 月曜日~金曜日、第2・第4土曜日(祝日含む) |
受付時間 | 午前9時~正午、午後1時~4時30分 | 午前9時~正午、午後1時~4時30分 |
対象エリア | 京都市南部・山科区・伏見区 | 京都市北部・左京区・右京区北部 |
搬入手数料
現行(2025年4月改定後) | 10kgごとに150円 |
---|---|
改定前(2025年3月まで) | 100kgごとに1,000円 |
2024年10月から事前予約制が導入されており、搬入前日までにインターネットまたは電話での予約が必要です。予約なしでの持ち込みはできませんので、必ず事前手続きを行ってください。
自己搬入は料金面でのメリットがある一方、人件費や車両の手配、時間的制約なども考慮して判断することが大切です。
京都市では無許可業者への委託は犯罪行為となり、排出事業者も処罰対象となります。適正な事業ごみ処理のため、信頼できる許可業者を選択することが重要です。
何よりも重要なのは、その業者が京都市から正式な許可を受けているかどうかです。
事業系一般廃棄物を回収できるのは京都市の「一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ業者だけで、産業廃棄物については京都府の許可が必要になります。許可を持たない業者に委託してしまうと、依頼した事業者側も法律違反として処罰される可能性があるため注意が必要です。
許可があるかどうかは、業者のホームページや名刺に記載されている許可番号で確認できます。分からない場合は京都環境事業協同組合に問い合わせれば教えてもらえます。「どんなごみでも格安で回収します」といった甘い営業トークには要注意。正規の許可業者なら、必ず許可番号を明示しているはずです。
長くお付き合いしていくためには、その業者が信頼できるかどうかをしっかり見極めることが大切です。
まずは京都市内でどのくらいの期間営業しているか、同じような業種での回収実績があるかを確認しましょう。インターネットで口コミを調べたり、知り合いの事業者から紹介してもらったりするのも良い方法です。会社の規模や保有している車両数、スタッフの資格なども参考になります。
地元で長年営業している業者なら、京都市の細かいルールや地域の事情もよく知っているので、何かと相談しやすくて安心です。
後々トラブルにならないよう、料金の仕組みがはっきりしている業者を選ぶことが重要です。
見積もりでは、何袋まで回収してくれるのか、週に何回来てくれるのか、1袋あたりいくらなのかといった基本的な内容がきちんと書かれているかチェックしましょう。ごみの量が毎日違うお店なら袋数で計算する方式、いつも一定量なら月額固定の方式が向いています。
「処理費込み一式○万円」のような曖昧な見積もりや、後から「追加料金がかかります」と言われるような業者は避けた方が無難です。
実際に話をしてみて、その業者の対応が丁寧で信頼できそうかどうかも大切な判断材料です。
電話での問い合わせに親切に答えてくれるか、現場を見に来て具体的な提案をしてくれるか、分別方法について分かりやすく説明してくれるかなどをチェックしてみてください。良い業者なら、契約前に必ず現場を確認して、ごみ置き場の状況や排出のルールについて詳しく説明してくれるはずです。
営業の人が専門知識をきちんと持っていて、質問に的確に答えられる業者なら、契約後も安心してお任せできるでしょう。
口約束だけでなく、きちんとした契約書を交わすことで後々のトラブルを防げます。
契約書には、業者の許可番号、回収するごみの種類、回収の頻度や曜日、料金の詳細、ごみの処分先、何かあった時の連絡先などが書かれているかを確認しましょう。特に産業廃棄物も一緒に処理してもらう場合は、マニフェスト(処理の記録)をきちんと交付してくれるかも重要なポイントです。
契約書を読んで分からないことがあれば、遠慮せずに説明を求めましょう。すべてを書面で決めておくことで、お互いに安心して取引を続けることができます。
事業ごみの適正処理について検討した結果、専門業者への委託が最適だと判断される場合は、実績豊富で信頼できる業者選びが成功の鍵となります。
「ごみの窓口」では、京都市発行の一般廃棄物収集運搬業許可を保有し、伏見区をはじめとする京都市内全域で豊富な実績を積み重ねてきました。事業所の規模や業種、営業時間に合わせた柔軟なサービス提供により、お客様のニーズに最適なプランをご提案いたします。
京都市伏見区での事業ごみ処理でお困りの方は、ぜひ「ごみの窓口」までお気軽にご相談ください。無料見積もりで最適なプランをご提案し、適正な廃棄物処理による法令遵守と環境保護をサポートいたします。
お気軽にお電話やLINE、お問い合わせフォームからご連絡ください。
山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。 不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。